不動産キャンプには、公式LINEやコミュニティ(Discord)を通じて、日々仕事のノウハウから不動産実務取引など、さまざまな質問が寄せられ、その質問に対して、その分野にくわしいキャンプメンバーや、専門家の方などが回答をしています。「自分がわからないことは、他の人もわからない」ことが多かったりしますよね。
この「お悩みコーナー」は、メンバーの方から集まった有益な質問と回答を記事にして、みなさんにもご紹介する場所です。
ぜひ、一緒に回答を考えてみてください!
※お悩みは、個人情報を伏せた上で実際に寄せられた内容を一部読みやすく編集しています。
今回のお悩みテーマ:売買契約書の契約不適合責任・建物状況調査について

中古戸建の売買取引の買主様より、契約書の内容について相談メールを頂きました。
一般的にはどんな対応をしたら良いのでしょうか?
【買主様からの質問①】
契約不適合責任(第14条)について、「無」で問題ないのでしょうか?
【買主様からの質問②】
「建物の主要部分」や「雨水の侵入を防ぐ部分」について、調査の結果を「無」として問題ないのでしょうか?



買主様ですが、契約書の内容に少し不安もしくは不信感を抱いているという感じではありませんか?
売主様側と調整がいることなので断言はできませんが、例えば次のような2つの返答方法がおすすめです。
1.可能性を示唆するだけにする
2.買主様のご意向を聞き、「売主様へご意向を伝え交渉してみます」と伝える



次に、具体的な回答をさせていただきますね。
【買主様からの質問①】
契約不適合責任(第14条)について、「無」で問題ないのでしょうか?
【回答】
契約不適合責任(第14条)について、その期間は不適合を知ってから5年、引渡しから10年以内です。
契約不適合責任を求めるには、売主への事前通知が必要で、通知期間は個人間売買で双方が合意して決めます。多くの場合、引渡しから3〜6ヶ月以内に通知する取り決めが一般的です。
【買主様からの質問②】
「建物の主要部分」や「雨水の侵入を防ぐ部分」について、調査の結果を「無」として問題ないのでしょうか?
【回答】
媒介契約書に調査のあっせんについて記載されていますか?「無」とする場合はその理由も記載が必要です。



一般的には建物状況調査は実施しないことが多いので、双方の目視などでご確認いただき、その際は業者も立ち会いをして、トラブルになりそうな点をその場でアドバイスさせていただくと良いと思います!
また「買主様の費用負担とはなりますが、ホームインスペクションもしくは、法律に定める建物状況調査を行うことも可能です」と告げると良いと思います!



承知しました。
追加で2点質問させてください。
買主様からの質問①に対する回答について
宅建業者が売主の場合、引渡しから2年以上の責任期間があるという認識でよろしいでしょうか?
買主様からの質問②に対する回答について
個人の場合、5〜10年の通知期間がありますが、特約で3〜6ヶ月の通知期間に設定できるという理解で合っていますか?
また、買主にあっせん無しとする理由を記載する際、売主側の媒介業者にその理由を確認してもらっても問題ないでしょうか?



買主様からの質問①に対する回答
契約不適合責任には追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、解除があり、これらは一般債権の消滅時効にかかります。
つまり、売主は買主が不適合を知ってから5年、引渡しから10年以内に権利を行使しないと責任を負いません。
種類や品質に関する不適合は、買主が知ってから1年以内に通知が必要です。ただし、売主が不適合を知っていた場合、この1年の通知期間は適用されず、5年または10年間責任を負います。
今回は個人間売買なので、通知期間を引渡し後数ヶ月に短縮する特約になるのではないかと思います。
買主様からの質問②に対する回答
違います。責任期間は5年または10年ですが、通知期間を短くする特約が可能です。
個人間売買では、契約不適合責任を免責にすることも双方合意で可能ですが、民法572条の規定にご注意ください。
また、追加の質問は国土交通省「解釈運用の考え方」p18-19をご参照ください。
国土交通省「解釈運用の考え方」↓
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001753240.pdf
まとめ



今回のポイントをおさらいしましょう!
買主様から売買契約書の内容に質問を受けたら、まずは不安になっていないか、その意図を汲み取りましょう。その上で、売主様とも内容について調整できるか確認してみるのがおすすめ。具体的な回答は以下の通り。
- 契約不適合責任(第14条)について、「無」で問題ないの?
契約不適合責任の期間は、不適合を知ってから5年、引渡しから10年以内。契約不適合責任を求めるためには、売主への事前通知が必要で、通知期間は個人間売買で双方が合意して決定する。一般的には、引渡しから3〜6ヶ月以内に通知する取り決めが多い。 - 「建物の主要部分」や「雨水の侵入を防ぐ部分」について、調査の結果を「無」として問題ないの?
媒介契約書に調査のあっせんについて「無」とする場合は、その理由の記載が必要。一般的には、建物状況調査は実施しないことが多く、双方が目視で確認し、業者が立ち会ってトラブルになりそうな点をその場でアドバイスするのが良い。
また、「買主様の費用負担でホームインスペクションや法律に定める建物状況調査を行うことも可能」と伝えるのが一般的。
今回は、売買契約書の契約不適合責任・建物状況調査についてご質問がありました。もしものときに備えて、ぜひこの記事を参考にしてみてください。


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八幡先生 不動産キャンプ 実務講師
現役の宅建講師&登録実務講習講師として活躍
不動産キャンプでは不動産実務の講師として活動中。
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