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【知っておくべき! 住宅ローンの審査で見られている点とは?】

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今日の内容は「不動産業界で仕事をするための実務勉強」です。

人は誰だって、安心できる住まいを手に入れたいもの。
時代やライフスタイルが変わり、働き方や暮らし方は多様になっているものの、「夢のマイホーム」を目標に貯金に励んでいる方も少なくないと思います。
さて、家を購入しようと思うと、数千万円ものお金が必要になります。
当然、一括で購入できる人は余程のお金持ちでない限り難しいですよね。殆どの人は「住宅ローン」を利用する事になります。しかし…
 

 こういった疑問や不安が湧き上がってくるかと思います。
金融機関に勤めている人でもない限り、全てを熟知している人はそう多くありません。
そんな時、宅建士が相談に乗り、お客様の不安を解消してあげることができれば、信頼される存在に繋がるでしょう。
 
「住宅ローンを制す者は、宅建業を制す!」
…と、少し大げさな言い方をしてしまいましたが、住宅ローンに関する知識を持つことで宅建士としての質はグンと上がります。
お客様からの信頼は勿論、金融機関側からの心象が良くなれば、次のビジネスチャンスに巡り合えるかもしれません。
本記事を皮切りに、今後住宅ローンに関する記事を定期的に発信していきますので、1つずつ勉強していきましょう!

◆そもそも、「申込人」のどういった所を見られるのか?

当然、住宅ローンは誰でも借りられるものではありません。
金融機関としては数千万のお金を融資するわけですから、ちゃんと耳を揃えて返してくれる人を選ばないと、大きな損失に繋がってしまいます。
簡単に言うと
「借入に対して、年収は一定以上あるか? 勤務先は大丈夫か?」
「他の借入が過多だったり、返済が遅延したりしていないか?」
「ちゃんと長く働いていける健康状態か?」
「住宅ローンを組む動機は適切か?」

等が基準となっています。

金融機関や保証会社(銀行と提携している審査部門の会社)によって厳しい・緩いの差はありますが、各行に基準となる線引きが設けられており、それを満たす人が審査に通ります。

◆返済比率

個人や世帯の収入に対する、住宅ローンの月々の支払い額が返済比率です。
いわば「毎月得るお金に対する、住宅ローンで出ていくお金の割合」です。
これが一定の比率以上になると支払いが難しいと見なされ、否決になってしまう危険性が高まります。
返済比率の求め方は以下の図式になっています。

一般的なケースとして、サラリーマンの場合は昨年度の源泉徴収票を見せて頂き、その年収をベースとしています。
また、既に住宅ローン以外の借入がある場合は、年間返済額に合算して返済比率を計算します。

◆既存借入と個人信用情報

いくらお金を稼ぐ力があっても、多額の借金を抱えているお客様には融資できません。
上でも述べた通り、住宅ローン以外の借入は合算して返済比率を計算するので、借金がいっぱいあるという事は、その分審査に通る可能性が低くなります。
(申込時に黙っていても、金融機関が信用情報機関に調査をしているので必ずバレてしまいます!)

更に、もっと注意しなければいけないのが「個人信用情報」です。
こちらも審査の時に信用情報機関に調査しており、「延滞・未払が無いか?」を確認しています。
一定期間内に数度の延滞があった場合は、否決の危険性大です。金融機関としても、お金の管理にルーズな人に融資をする道理は無いのです。
異動(≒ブラックリスト入り)の登録がされてしまった場合は、問答無用で否決扱い
この「異動」は一定期間(一般的には5年)記録として残るため、その間住宅ローンはおろか、クレジットカードの審査などに通る事も難しくなります。

◆健康状態

収入があり、返済に問題が無さそうな方でも、頻繁に病気を患わったり、持病を持っていたりするお客様は、「不測の事態」によって返済できなくなる危険性があります。
それを防ぐものとして民間の住宅ローンは、原則「団体信用生命保険」、通称「団信」の加入が義務付けられています。

当然ながら、将来的に病気になる可能性の高いお客様は団信に入れない可能性が高くなります(民間の生命保険と共通していますね)。したがって、住宅ローンの審査もその時点で否決とされるのです。

◆まとめ

今回は、住宅ローンを借りる上で
申込む「ヒト」の何を見ているのか?についてお話しました。
 
お客様から「この物件を購入したい!」と反響を頂いたとしても、
その物件の購入に至る人≒住宅ローンを借りる事ができる人
かどうかは、審査してみないと分かりません。
いざ審査に出して否決…となってしまったら、宅建士側・お客様側のどちらもガッカリですし、何より時間のロスですよね。
その為、事前審査の前に宅建士側がお客様に様々なヒアリングし、その人の「属性」について把握しておくことが大切だと言えます!

◆お客様へのヒアリング事項

「この人は、ちゃんと住宅ローンを組む事ができるのか?」
「何円までなら借りられそうか?」
を、事前審査までにある程度把握しておく必要があります。
その為、宅建士はお客様に対するあらかじめのヒアリングが不可欠と言えます。
具体的には、以下の内容を抑えておくと良いでしょう。
※今回は給与所得者(=企業に勤める正社員)をモデルケースとします!

①   年収と勤務先

まずは、年収を把握する為に、昨年度(R5年に審査をするなら「R4年度」)の源泉徴収票を見せてもらいましょう。
そこに書いてある年収が、判定年収のベースとなります。
例えば年収400万円のお客様が、A銀行で35年・3,000万円の融資を考えていたとします。
A銀行の返済比率の基準は35%、審査時の金利(実際にお客様が借入する時の金利よりも高く設定されています)は3%とします。
お客様はこのローンを借りることができるでしょうか?
 

引用:住宅ローンシミュレーション(住宅保証機構株式会社)
https://loan.mamoris.jp/repayment.asp

返済比率の基準は大体「30%~40%」、審査時の金利「2~3%」である事が多く、金融機関によって様々です。
一般に公開されている情報ではないので、金融機関のローン担当者に思い切って聞いてみると良いでしょう。
 
更に言うと、「直近期の年収が上記の基準を満たしていれば良い!」というわけではありません。
何故なら、住宅ローンは多くの場合、30年以上の返済期間を設けることになるので、
「この人は継続的に、安定的に収入を得ることができるだろうか?」
という点も大きなポイントになってきます。例として、以下のような観点で審査が行われます。

 同程度の年収でも、当然「潰れにくい企業」に属している方が安心感は段違いですよね。
したがって、公務員や大企業に属している方が有利な審査になります。
また、短期的に離職・転職を繰り返している人は、収入が安定しないと捉えられかねません。
転職により人材の流動化が進んでいる時代とはいえ、一般的に審査のテーブルに乗るのは勤続1年以上から。できれば3年以上である事が望ましいです。
ただし、同業種でのキャリアアップであることが明らかな転職や、大企業への転職の場合はその限りではないので、諦めず理由を訊いてみましょう!

②   借入の有無

前にも述べた通り、金融機関が信用情報機関に調査をしているので、隠していても必ずバレてしまいます。
審査する前には、「現在、他に借入しているものは何かありますか?」と、必ず聞いておきます。返済予定表等の明細も予め貰っておきましょう。
比較的多いのが「車のローン」を借りているお客様です。
車種やグレードにもよりますが、100~300万円程度のローンを3~5年かけて返済する契約を結んでいるケースが一般的かと思います。
当然、年間の負担額は数十万円かかることになります。そして、この「年間の負担額」は返済比率にも直結しますので、その分借入できる金額の上限は少なくなってしまいます!
※「融資をする条件として、今の○○ローンを完済する」という条件を金融機関から付けられる可能性もあります。

借入を行ってなくても、リボルビングによる定額の支払い、所謂「リボ払い」については注意が必要です。
仮に現在利用していなくても、「枠」があるだけで返済比率に上乗せされる場合もありますので、こちらは綺麗さっぱり解約しておいた方が得策かもしれません。
住宅ローンの借入希望額と照らし合わせて「完済するべきか? それとも、そのまま継続で返済するか?」を話し合っておきましょう。
 
中には、
「クレジットカードに入り過ぎて、今どの返済を行っているのか把握できていない…」
「もしかしたら、延滞や未払いが過去にあったかもしれない…」
と不安に思っているお客様もいらっしゃいます。
そんな時は、お客様自身で調査をして貰いましょう。

引用:CIC 信用情報の確認
https://www.cic.co.jp/mydata/index.html

 個人情報信用機関(CIC)では、信用情報を開示して貰うことができます。
ネットでの開示請求なら費用は500円で済みます。
調査の結果、延滞が発覚した場合や、使っていないクレジットカードが多数あった場合は、出来るだけ完済や解約等の手続きを行って貰うようにしましょう。

 ③   団信の説明

一口に「団信」といっても、その商品は多岐にわたります。
死亡・高度障害に対してのみ保障がある単純なものや、がんや三大疾病に保障があるもの、その他の疾患に対しても手厚く保障があるもの等様々です。
ただし、商品を選ぶのは正式審査の時でも良いでしょう。
まずは「健康状態に不安はありませんか? 数年以内に入院や手術をした事はありますか?」と聞いてみてください。

 告知すべき特別な事項がある等、不安な場合は事前審査と同時に団信の申込を行うのが良いかと思います。
審査通過の是非に大きく関わるので必ず聞いておくようにしましょう。
(隠しておくのは危険です。「申込の時に正しく申告していなかった」事がバレてしまい、「告知義務違反」として保障が受けられなくなる危険性もあります!)
金利を引き上げる代わりにある程度の持病があっても加入できる可能性が高い、「ワイド団信」もあります。
困ったら、金融機関にも相談してみましょう。

④借入の動機

意外と、ここは大事なポイントです。
住宅ローンの購入動機としてよくある例として
「家族が増えて、賃貸では手狭になったから」
「子どもを育てたい地域に家を構えたい」
等の、ファミリー層のニーズが真っ先に挙がると思います。但し、
「両親と住む為」
「独身だけど、賃貸住宅の家賃支払いが勿体ないので」
という動機の方も勿論いらっしゃいます。
それだけで審査が不利になるわけではありません。
但し、身の丈にあっていない、不自然に広い物件を購入される場合は注意が必要です。
何故なら、第三者への転貸が疑われるからです。そうなれば、本来の住宅ローンの用途に合ってないとして審査に落ちる可能性が高まります。

本人や両親の離婚が絡む「後ろ向き」な場合も注意しましょう。
離婚の原因には金銭的なトラブルがつきものです。
申込人の元家族が多額の負債を抱えていたり、信用情報にバツがついていたりした場合、金融機関も慎重な判断になる事があります。
お客様の家族構成を紐解いていき、少しでも違和感があれば、それとなく聞いてみるようにしましょう。 

◆まとめ

いかがでしたでしょうか。
上記の事項を聞き取りできれば、お客様の「属性」が見えてきて、住宅ローンの借入の是非がある程度分かるようになるでしょう。
健康状態・借入動機等は、お客様にとってセンシティブな情報でもあるので、少し聞き辛い面もあるかもしれません。
しかし、そこまで踏み込んで聞いてこそ、真にお客様の為になる対応に繋がると思っています。
大事なのは「確かな知識」と「お客様への関心」です!
 
以上、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!
今後も定期的に情報を発信していきます。日々知識を増やす習慣を付けていきましょう!

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この記事を書いた人

しらい先生のアバター しらい先生 不動産キャンプ運営者

フリーランス宅建士/会社経営者

趣味は旅行で場所時間問わない働き方をしてから好きになりました。
私は小学生から大学までずっとバスケをしていました。高校では強豪校へ行き、当時八村選手と試合したことが自慢です!
21歳の時入社前に会社から宅建取得を促され、無事に合格して今に至ります。
22歳は某大手不動産会社に3年勤めて、25歳では不動産テック、ベンチャー企業にいました。
現在はフリーランス宅建士、法人設立など不動産業を幅広く行なっています。

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