さて今回は未経験の宅建士の方に超重要な「不動産の実務知識の回」です
今日は、住宅ローンの情報について発信していきます。
前回記事で、住宅ローンの審査で見られている点について発信させていただきました。
必要な事をヒアリングし、お客様のおおよその属性について理解できたら
いよいよ住宅ローンの事前審査へと進むことになります。

事前審査はあくまで金融機関にとっては「仮審査」の段階です。
ここで借入の認可が下りたとしても、
正式審査によって一層厳密な審査が行われます。
とはいえ、
・年収
・勤続年数
・返済比率
・信用情報
等の基準については、事前審査でも正式審査でも変わる事はありません。
(虚偽の申告をしていたり、事前審査時~正式審査時の間が長引きすぎたりした場合は別ですが…)
つまり、事前審査の可否により、お客様がその銀行からお金を借りられるかどうかが8割決まる!
と言っても過言ではありません。
それなりの準備が求められますが、スムーズに決まればお客様にとっても一安心です。
まずは1つの山場を乗り切りましょう!
◆主な提出書類
最低限、銀行に提出すべき書類は以下のものになります。
お客様に前もって用意して頂くべき書類がいくつかありますので、
あらかじめリスト化を行い、漏れなく伝えておきましょう!
① ローン事前審査申込書(金融機関所定のもの)
大きく分けて
・お客様の情報
・勤務先の情報
・他の借入の情報
・借入希望額、借入内容、期間
を書く欄があります。
基本的にはお客様に自著頂くべき書類です。

右:ろうきんの事前申込書
申込用紙のフォーマットは金融機関により異なります。
A銀行では聞かれなかった項目が、B銀行では聞かれた…なんて事もあります。
連帯債務者・連帯保証人等の記入欄もあり、
これら取り入れる場合、当然その方にも記入していただくことにもなります。
② 本人確認書類(運転免許証・健康保険証)の写し
運転免許証は身分証明書としての書類です。
顔や生年月日、住所等の確認に用いられます。
運転免許が無い場合、パスポートやマイナンバーカードが代わりに本人確認書類に用いられます。
健康保険証は、主に勤務先や勤続年数を照らし合わせる為の書類です。
一般的に「入社日」=「資格取得年月日」になるケースが殆どではありますが、合併による社名変更や組合の変更で必ずしも一致しない事もあります。その場合は理由を聞いてみましょう。
なお、一般的な会社勤めの方は社会保険証になりますが、
個人事業主や、「一人親方」に仕える従業員については国民健康保険証になります。
※どちらも期限切れでないことを確認してください。
③ 昨年度の源泉徴収票
原則、直近の年度のものを出して頂きます。
殆どの場合、勤めている会社から発行できます。
一般的に、「支払金額」の部分がそのまま判定年収になる事が多いです。
「扶養家族に誰が入っているのか」を見ることもできるので、
現在の家族構成や共働きかどうかを把握する事も可能です。

④ 物件チラシ、見積書等価格が分かるもの
基本的に銀行は「購入に必要な金額」までしか融資を行いません(諸費用の借入を除く)。その為、その土地・建物・追加工事費等の価格が分かる書類の提出が必須になります。
売買契約書、請負工事契約書の雛型でも良いでしょう。
銀行側でも調べる事はできますが、該当する物件の登記簿謄本や地図、公図を一緒に提出すると親切な印象です。
なお、事前審査後に意向が変わる等で購入する物件が変わった場合は、
再度事前審査からやり直しになるので注意しましょう!

⑤ その他
お客様の属性や事情によっては、以下の書類が求められる事があります。
・返済予定表
「既存借入がある場合」に必要となります。
銀行側としては、返済比率の計算に不可欠な書類になるので、申告した分は必ず提出して貰いましょう。
・特別永住者証明書、在留カード
申込人が外国人であった場合、原則「永住者」である事が求められます。
永住者である事が証明できないお客様には融資が厳しくなることが多くなります。
住宅ローンの性質上、長期間その物件に定住する事が前提になるからです。

・月ごとの給与明細
「勤続1年未満の場合」に必要となります。最低3か月分は求められます。
現職にて得ている月収から、みなし年収を求める為です。
また、「タクシードライバー」や「不動産・保険の営業マン」等の職業についても、歩合制の割合を見る為に求められる事があります。
・健康診断書
特定の団信に加入する場合や、申込金額が一定以上の場合に求められます。
ローン借入の条件として、団信への加入可否が必須となる為です。
そもそも健康状態が不安な場合には、事前審査時に団信の申込書も併せて提出する方が得策です。

◆まとめ
今回は、「住宅ローンの事前審査に必要なもの」についてお話ししました。
金融機関によって少しずつ違いはありますが、上記の書類を提出頂ければ審査へと進むことができます。
「住宅ローンの審査が既に通っている」という事実は、
お客様が希望の物件を購入する為の武器にもなり得ます。
前述の通り、事前審査が可決であれば、お客様がお金を借りられる確率はグッと高まります。
ここは1つの山場と考えて、
銀行と足並みを揃えながら取り掛かりましょう!