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【宅建】不動産営業はつらいぞ/宅建士を目指している人へ

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不動産会社で営業をしている時、お客様からクレーム受けました。
「私は、仲介手数料払わんぞ!」
初めてのクレームだったのでどう対応して良いかわからずでした。
上司からアドバイスをもらって、なんとかクレームを対応しました。

「リアルに経験したクレーム」をまとめた動画になります。

動画視聴する場合はこちらから

目次

◆ あらすじ

今でも覚えています。
中古マンションの購入をいただいた30代のご夫婦でした。
最終的に値引きもあって3,800万円で契約になったのですが
契約後に解除してくれと。
で、お話をしていると、ご家族が登場して揉めにもめた話です。

◆ マンション契約

この話は、私が不動産営業を初めて1年目に起きた出来事です。
30代のご夫婦から中古マンションの購入依頼があり
営業活動をしていました。

マンションの契約まで大体3ヶ月だったと思います。
不動産購入にかなり慎重な方だったので
たくさんの不動産をご案内しました。

ようやく気に入る物件が見つかり
「白井さんありがとう」とお礼もいただきました!

無事に重要事項説明書、契約が終わりあとは決済だけだったんですが
契約後に一本の電話が入りました!

◆ 「やっぱり買いません」

「やっぱり買いません!契約なしにしてもらっても良いですか?」
ちょっと待ってくれ!って言いたくなりますよね。

「どうしたんですか?あんなに気に入っていたのに?」と聞いてみると

ご両親から強く購入を反対されていたみたいです。

ちょうどコロナの時期も重なっていたので
将来的に物件の価値が下がるから
購入を辞めるように言われたんじゃないかなと思います。

◆ 契約の解除

さあ、ここからが大変でした。
契約の解除と言っても、買主様の都合の解除になるので
実はこの場合、仲介手数料の支払いが残るんですよね。

あとは手付金放棄っていう、宅建にも出てきている内容なんですけど
つまり契約を解除するのに
買主様のお財布からお金が出ることになります

◆ 仲介手数料

マンションの契約時に手付金をお支払いいただきました。
確か300万円でした。
これは手付の放棄で売主様にお渡しいただくものになります。

これに加えて不動産会社へ仲介手数料も支払うことになります。

仲介手数料の計算方法は覚えていますか?
3,800万円×3%+6万円に税金ですね。
答えは132万円ですね。

なんで不動産を購入をしないのに
合計432万円の出費もしないといけないんだと買主様は思ってしまいますよね。

だけど不動産会社側は仲介手数料を払ってもらいたい。

このあとどうなったと思いますか?
なんとなくわかりますよね。

◆ 買主様ブチギレ

「不動産の購入をしていないのに手数料なんか払えるか!」
そう、買主様ブチギレです。

確かにお客様の気持ちはわかるんですが

不動産営業マンからすると
あんなにお手伝いして、重説作って、契約書作ったのに…という残念な気持ちになります。

まあ、実務的なお話をすると
媒介契約書にはしっかりと手数料について明記しているので
買主さんは仲介手数料を支払うことになります。

◆ 実務の補足説明

ここで実務の補足説明なんですけど、この図を見てみてください!
仲介手数料ってどのタイミングでもらうかわかりますか?

【不動産キャンプ】出典

宅建の内容ならば⑥の契約のタイミングで
仲介手数料を支払っていただくことになるんですが

実務では、決済時までに全額お支払いいただくことが多いです。

この契約では、契約時に50万円。残りの82万円は、決済時にお支払いいただく約束でした。

なので、82万円をどうにかしてお支払いいただく必要があります。

買主様が「はい!払います!」と言ってくれれば良いのですが
そんな簡単なわけありません。
「なんで払わないといけないの?」と

1年目の私には、とてもきつかったです。
逃げたい。辞めたいの毎日でした。

精神すり減らしながら電話したり会いに行ったりして
支払いについての説明をしていました。

◆ 家族一同で来店

「家族がしらいさんと話したいらしいです。行っても良いですか?」と
買主様から電話が入りました。

ここで完全に心が折れてしまいました。

すると今まで何もアドバイスをくれなかった上司が
「良し、じゃあ払ってもらえるように作戦練ろっか!」と手を差し伸べてくださいました。

手数料を払ってもらうために何をするのか?を上司と考え
買主様に納得いただけるような内容を準備しました。

上司の説明方法を聞いて
「ああ、なるほどな〜」と勉強になることばかりでした。

◆ お客様来店

買主様がご両親を連れて来店されました。

契約室に入っていただき
仲介手数料を支払っていただく必要があることを説明しました。

事前に上司からいただいたアドバイスの通りに
買主様に対して、丁寧にわかりやすく説明をしました。

最終的には、買主様のご両親が仲介手数料の支払いについて
「なるほど、それだったらこちらに非があるね。」と納得され
仲介手数料の支払いに応じていただきました。

買主様もご両親が納得されたからか
「確かにそうですね。」言ってくださり
なんとかこの件は丸く収まりました。

◆ まとめ

手付の解除については宅建で勉強した部分なので
頭には入っていたのですが
実務では使いこなすことができませんでした。

実務で宅建の知識を活かすには
なぜそうなるのか?どうやって説明するのかが必要になると当時気づきました。
あとは、知識に対する自信がないと
今回のようなクレームは対処できなかったと思います。

これから宅建士として活躍されるみなさんも、クレームを受けてしまうことがあると思います。

その時に、しっかりと対応ができる実務知識を身につけておくこと。
相談ができる上司や先輩を見つけておくことがとても大切だと思います。

また、すでにこんなクレーム経験あるよ!という方がいればコメント欄で教えてください。

◆ 具体的に行った対処方法

前提の知識として今回の取引による解除は
お客様都合による解除になるので【手付解除】になりました。

手付解除についての簡易的な図解

不動産キャンプ講義「購入申込書」出典
不動産キャンプ講義「購入申込書」出典
不動産キャンプ講義「購入申込書」出典

手付解除になると大変なのは、お客様に仲介手数料を支払っていただくことです。
「払いたくない」と言っている人に払っていただくわけですから大変です。

◆エビデンスを元に説明をする。

具体的な対処方法は、エビデンスを元に説明をすることです。
仲介手数料をお支払いいただかないといけない理由を
・媒介契約書から
・売買契約書から
の2つのエビデンスでお客様に納得いただけるように説明をすることになりました。

・媒介契約書から

https://www.middleplus.net/pdfdocument/baibai-ippan.pdf出典

不動産を購入する時は、媒介契約書という書類にサインをいただきます。
これは媒介契約書の内容に合意しました。と言う意味合いになるわけです。

そして今回、重要になってくるのがこちらです。

(報酬の請求)という項目に
契約が成立した時、仲介手数料の請求について明確に示されています。

つまり不動産契約をした時点
仲介手数料を請求することは可能と言うことがわかりました。

次は、不動産の契約書をエビデンスとして用意します。

・売買契約書

不動産の契約書を用意することで
買主様が不動産の契約をしている証拠があることがわかります。

①媒介契約書に契約時点で仲介手数料の支払い義務が生じること
②不動産の売買契約書に買主様のサインがあること

この2つをエビデンスに、買主様に納得いただくように準備をしました。

◆話の流れ

Step1:仲介手数料は、お支払いいただく必要があります。
Step2:媒介契約書で説明して、サインをいただいています。
Step3:不動産の売買契約にサインといただいています。
Step4:なので仲介手数料は、お支払いいただきます。

このような流れです

ただし、気をつけておかないといけないのは
過去に今回と同様のクレームがあり
仲介手数料の満額請求ができずに、減額された請求しかできないと判例があります。

最判昭和49年11月14日(集民113号211頁)https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/402/070402_hanrei.pdf

◆クレームから学び、次に生かしたこと

①購入申込時に説明をする

お客様が不動産を購入したい!と購入申込書を提出する際に
契約した時点で、仲介手数料の支払い義務が生じることを説明することを徹底しています。

②媒介契約書の条項を必ず読む

媒介契約書の条項について、読むのが面倒臭いと感じる方も多いと思いますが、私は必ず読むようにしています。

条項を読むか読まないかで、クレーム回避ができるのであれば少し時間はかかりますが読むべきだと判断しています。

また、お客様の中には
「え?じゃあ途中で契約を辞めても手数料払うの?」
言われる方も稀にいます。
自分は知っているけどお客様は知らないということが
ベースになると思って説明をしましょう。

③契約解除になる要素を抑えておく

「やっぱり購入するのを辞めます。」を極力減らすために
買主様が契約後、解除に至るような不安要素を洗い出すようになりました。

例えば今回の例で言うと
「ご両親は今回の不動産購入について何か意見されているんですか?」
一声かけておくと良いでしょう。
「まだ相談していないんです」と回答があれば
「一度相談されてみてはいかがですか?」等、促しておくと
契約前に購入できる人かできない人かを判断することができます。

①購入申込時に説明をする
②媒介契約書の条項を必ず読む
③契約解除になる要素を抑えておく

いずれも契約する前です。

クレームが起こってから対処していると
他の案件に手が回らなくなってしまうので
できる限り、契約前に、クレームが起こらないように
石橋を叩きながら契約行為に臨むことをお勧めします。

これから宅建士として不動産営業にチャレンジする方は
この機会に不動産の実務をマスターし1人で稼げる宅建士を目指しましょう。

不動産キャンプ
実務講師 しらい先生

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この記事を書いた人

しらい先生のアバター しらい先生 不動産キャンプ運営者

フリーランス宅建士/会社経営者

趣味は旅行で場所時間問わない働き方をしてから好きになりました。
私は小学生から大学までずっとバスケをしていました。高校では強豪校へ行き、当時八村選手と試合したことが自慢です!
21歳の時入社前に会社から宅建取得を促され、無事に合格して今に至ります。
22歳は某大手不動産会社に3年勤めて、25歳では不動産テック、ベンチャー企業にいました。
現在はフリーランス宅建士、法人設立など不動産業を幅広く行なっています。

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