この記事では、不動産キャンプで開催した「これからの不動産ビジネス」について
国土交通省の小林先生とお話しした内容を参加できなかった方に向けて一部紹介いたします。

不動産キャンプでは、国土交通省の小林先生から
国の視点で考えるこれからの不動産ビジネスというテーマをもち
不動産経営者に向けた勉強会を定例開催しております。

5月には、「攻めと守りの不動産政策の最新情報」がテーマのイベントを開催し
前回のイベントでは、日本の現状や、国の政策の観点から今後の不動産ビジネスの視点についてお話いただきました。
7月に開催したイベントでは、不動産キャンプメンバーの要望により
「空き家と空き地を活用したビジネス」をテーマにイベントが開催されました。
全米不動産協会に携わり、米国の空き家・空き地活用のビジネスモデルを研究されてる小林先生。

そんなアメリカ不動産における空き家ビジネスにも精通されている小林先生に
「環境」「健康」「安全」「創造」「交流」の5つの切り口を中心に、今後の日本での不動産ビジネスについてお話いただきました。
不動産経営者としては、まさに売上拡大、会社経営に直結する勉強会だったと思います。
今日は無料の範疇で、私が学んだことを共有させていただきます。
1.5つの切り口で見る新しい不動産ビジネスモデル
1. 環境(Environment)

グリーンインフラの推進:最初に、気候変動対応や、生物多様性の確保を目指した環境に配慮した不動産開発が進められており、そういった企業の価値が高まっていくとのお話がありました。

小林先生が素晴らしいモデルとして例に挙げられたのが三重県いなべ市。役場の改築や周辺の公園整備を通じて、地域全体で環境に優しい取り組みが進められているとのこと。
地域の商工会や住民と連携し、地産地消型の木材や雨水貯留浸透施設を導入したことで、人々の交流が増え、経済的および環境的な効果がもたらされているそうです。
2. 健康(Health)

住宅セーフティネットの強化: 高齢者、障害者、低所得者、シングルマザーなどの要配慮者の住まいをサポートするための制度が強化されているとの説明もありました。例えば、居住支援法人が安否確認や見守りなどのサポートを強化し、要配慮者の安心な住まい確保を支援するなど。

NPO法人や社会福祉法人が地域の空き家を活用して、高齢者向け住宅やデイサービス施設を運営する例も増えているそうです。
3. 安全(Safety)
インフラの老朽化対策: 橋梁やトンネルなどの公共インフラの老朽化に対して、地域の建設会社や不動産業者が連携して対応する事例が増えてきているようです。

新しい政策として、所有者不明土地の活用を推進するための法律改正が行われ、地域の宅建業者が推進法人として指定されることもあるのだとか。

地域の課題解決と発展に繋がる注目のモデルケースとして紹介されたのが、山形県鶴岡市。地域の宅建業者が所有者不明土地の活用を進めるランドバンク事業を行っています。
小林先生によると、40代の若手の宅建士を中心に弁護士や行政書士と協力して土地を特定・登録し、空き家をリノベーションして賃貸住宅や地域交流スペースに転用しているそうです。
再利用が決まった土地や空き家は公共事業や民間事業に提供され、地域のインフラ整備や新しいビジネスの展開に寄与しているとのことでした。
4. 創造(Creativity)

クリエイティブな空間作り: 既存の建物や空き地をコンバージョンし、スタートアップの拠点やコワーキングスペースを作る取り組みが進められているそうです。
国交省の官民連携まちなか再生推進事業を活用して、プラットフォームやビジョンを作り、創造的な空間作りの支援が始まっているとのことでした。

新潟県長岡市のNAGAOKA WORKERでは、長岡で暮らしながら大都市圏の企業で働いたり、創造性豊かな起業ができると紹介されました。
長岡市では、地域の大学や商工会と連携し、空き家や使われていない建物をリノベーションしてスタートアップ企業の拠点を作っているそうです。
これにより、地域の活性化と新しいビジネスの創出に貢献しており、ビジネスチャンスとして検討する価値があるとお話がありました。
5. 交流(Community Interaction)

地域の交流促進:地域住民や訪問者が交流できる場を作ることで、地域の活性化を図る試みが全国ではじまっているとのこと。実際に、地域の自治体と連携して、空き家や空き地の活用を進める支援法人が設立される動きが見られているそうです。

例として、尾道市の空き家再生プロジェクトでは、地域の空き家を探索し、住まいの希望者とマッチングするNPO法人が活動しています。
このNPO法人は、空き家の所有者と連絡を取り、空き家の状態を評価して修繕やリノベーションを行い、その後、住まいを探している人々に提供しているのだとか。
こうした活動のおかげで、地域の空き家が有効活用され、住まいのニーズに応じたマッチングが進み、地域の活性化に貢献しているそうです。
2.参加者の感想(一部紹介)
国土交通省の小林さんにお話いただくこれからの不動産ビジネスのお話は
不動産ビジネスキャンプに部類され、一般的には現役の経営者かこれから起業したい方々がこぞって学ばれる勉強会です。
こちらでは勉強会に参加いただいた方々の声を一部紹介いたします。
・参加しようと思った理由
空き家、空き地問題に興味があり後々取り組みたいと思ったので。 |
空き家再生ビジネスをはじめたく、何からを模索してたところだったので |
興味があるテーマだったためです。 |
将来外国人向けビジネスや不動産紹介する際に、国家が不動産に対する政策を学習し、知見を深めるため。 |
空き家ビジネスの展望を知りたいから |
空き家ビジネスにとても興味があるから |
・参加した感想
自分には難しい内容でしたが、良い刺激になりました。 |
大変イメージは沸きました。不動産業もさることながら、地域コミュニティを作り方、辿り着く方向性など |
特に興味を持っていたコワーキングスペースやワーケーションへの転用に政府や行政からの補助があると聞き取り組みたい気持ちが高まりました。様々な転用方法があると知ることができたのもよかったです。ありがとうございました。 |
ビジネスヒントになりました。キャンプをハブにプロジェクト形成して多種多様なメンバーと一緒にトライしても面白いと感じました。 |
不動産業は〔当然ですが)あらためて、事業だと感じた。 |
国土交通省の方の貴重なお話しを聞けて大変有意義な時間でした。ありがとうございました。 |
参加くださった方は、不動産経営者の方、不動産会社にお勤めの方、未経験だけどこれから宅建士に挑戦しようと思っている方等様々で
北海道から沖縄まで性別、年齢も関係なくご参加いただきました。
ぜひ今回参加できなかった方々は、次回も勉強会を開催する予定です。
不動産キャンプのイベントページを保存して、開催をお待ちいただければと思います。
まとめ
国土交通省の小林さんとは、日頃から「これからの不動産ビジネス」について議論をしています。
特に空家増加、人口減少が進んでいる日本で不動産ビジネスを展開するためには
今までと同じやり方では成功するのは「お金を広告費にたくさん出せる企業」には敵いません。
ですから、多角的なビジネスの展開や業界のポジショニング等といった経営戦略について頭を捻ることができる
次世代の宅建士が活躍できる時代が来ると思います。
これからも情報の提供はもちろん、具体のビジネスにまで落とし込めるように
初心者でもわかりやすい情報を提供していきます。
不動産キャンプは、未経験から稼げる宅建士を目指すための学舎です。
毎週水曜日に私が実務講師として実務の勉強会、毎週日曜日に集客の勉強会を開催しています。
また、不動産キャンプでは月毎に各都道府県で様々なイベント活動をしております!
キャンプメンバーの方はもちろん、一般の方もぜひご参加ください!
不動産キャンプがいいな、ちょっと気になるなと思っている方は
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